内窓のリフォームって、最近CMなんかで見るけど、
「内窓ってどんなの?」「どんな工事が必要なの?」
という疑問点を解説していきます。
・内窓って、どういうもの? ・内窓を設置するには、どんな工事が必要になるの? ・内窓は効果はあるの? ・内窓のデメリットは?
を解説してきたいと思います。
内窓は、色々なリフォーム工事がありますが、手軽に(安価)できて、効果が実感出来る”コスパ”のより工事です。
家が、「暑い・寒い・結露が酷い・外の音がうるさい」などのお悩みをお持ちの方に最適です。
内窓のリフォームとは?
内窓とは、「今ある窓の内側の枠に、もう一つ窓を設置する」リフォームです。

左側が外、右側が部屋内です。
元々、ある窓の部屋の内側の木枠に、レールを設置して、新しい窓を設置します。
今ある、外側の窓をそのまま残して生かすことで、外壁や室内の壁を壊さずに、短期間の簡単な工事で設置出来ます。
設置条件を満たしていれば、【1窓1時間程度】で設置できます!
上の画像の通り、これまで1枚ガラスだったものが、内側に窓が追加されることで、窓と窓の間に空気層が出来ます。この空気層が内窓の断熱工事の1番のメリットです。

内窓で2重窓にするのと、2枚ガラス(ペアガラス)に交換するのって、何が違うの?
という質問を頂くことがあります。
(ペアガラスはこれです)

ペアガラスは、上の画像の通り、ガラスが合わさって2重になっているものです。
ペアガラスは、設置されている窓自体は1つです。
【内窓】窓が2つ
・窓を開けるときは、2回開けないといけない
・空気層がペアガラスよりも大きいので、断熱・遮音・結露の効果が高い
※効果が高いのでオススメだが、頻繁に開け閉めする窓には向かない
【ペアガラス】窓は1つ、ガラスが2重
・窓は、2つ開けるだけで良い
・空気層は、製品の仕様にもよるが、内窓よりも少ない(最大16mm程度)
・内窓よりも、断熱・遮音・結露効果は劣る。
※使用感は、ペアガラスの方が良いですが、効果が薄いのと工事が大変です。
2回開け閉めするのが、面倒だという方には
・ペアガラスに交換する(窓の取り替えが必要)
・真空ガラスにガラスのみ交換する
などの工事があります。これは、別途解説したいと思います。
内窓の効果(メリット)
内窓は、効果の実感出来やすいリフォーム工事です。
そして、様々なお悩みに対して、効果があります。
- 断熱
- 遮熱
- 防音
- 結露軽減
- 外部の視線カット
- 部屋が綺麗になる
断熱効果
内窓の効果で一番要望が多いのは、断熱だと思います。
自宅の窓辺が、「寒い・暑い」というご家庭には最適です。
家の、「暑い・寒い」については、開口部(窓・玄関)が大きく影響します。
家の中で「暖房で温めた熱は約50%」が、「冷房で冷やした冷気の約70%」は窓から逃げて行くと言われています。

そのため、窓の断熱リフォームは効果的面なのです!
内窓で空気層を作ることで、「部屋の中の空気の温度」と「外気の温度」が伝わって流れ出てしまうのを防ぐことが出来ます。

この空気層は、私たちがセーターやダウンジャケットを来た時を想像すると分かりやすい!
ダウンの羽毛やセーターのウールに、たくさんの空気を含んでいるため、空気層を形成し、体の熱が外に逃げてしまうのを防いでくれます。
断熱効果が上がると光熱費の節約にも繋がります。

あくまで、メーカーさんのシミュレーション値ですので、絶対ではありませんが、1枚ガラスの窓に内窓を設置することでの効果です。
内窓設置の工事代が出てしまうくらいのお得感があります!
遮熱効果
内窓に搭載するガラスは、1枚ガラス・2枚ガラス、ガラスも遮熱タイプ・防犯タイプなど、様々なタイプから選択出来るようになっています(後述します)。
その中で、LOW-Eガラスの遮熱タイプのものを選択するとこれまでのガラスと比べて、夏場に窓から太陽の熱が入ってくるのを大幅にカット出来ます。

今までの、1枚ガラスでは、90%近くの熱が入ってきてしまっていた物を、40%まで削減出来ます!
さらに、外側に日除けを設置するとさらに効果を発揮します!

夏場の日差しは馬鹿に出来ません。
上の図の通り、かなり熱を低減できます!もちろん、冷房効果も期待できます。
防音効果
内窓は、防音効果も絶大です。
外窓と内窓・空気層が、障壁となって、高い防音効果を発揮してくれます。
- 外部の音が家の中に伝わるのを防ぐ(車や電車、近隣の騒音)
- 部屋内の音が外に伝わるのを防ぐ(楽器や子供の足音)

図書館とは言いませんが、かなりの効果が実家できます!
防音目的で設置される方も数多くいらっしゃいますし、新築の防音ルームに設置される方もいらっしゃるくらいです!
結露軽減
梅雨時や冬場になると、窓がビッショリ。
床まで濡れてしまって、フローリングが腐ってきた・・・なんてことありませんか?
以前に住んでいた賃貸はそうなっていました!
内窓の空気層は、結露問題も解決してくれます。

結露の発生原因は、部屋の中の湿気を含んだ空気が、外気で冷やされて窓に水滴となって張り付く現象です。
内窓を設置することで、空気層が出来、部屋内の暖かい空気が外気に直接触れなくなる。
これで、物理的に結露を防ぐことが出来ます!
外部の視線カット
内窓では、組み込むガラスを選択できます。
そのガラスには、透明・型ガラス・スリガラスなどが設定されています。

今の窓は、透明でカーテンをしておかないと、外からの視線が気になるのよね!
こんなご家庭では、型ガラスやすりガラスが最適です!

ガラスは上記の通り、様々なものがあります。
「型ガラス」か「フロストガラス」くらいがオススメです。
防犯性能も必要という方は、「防犯乳白合わせガラス」が良いですね!
使い分けはこちらの記事も確認してみてください。
部屋内が綺麗になる
内窓は、部屋の内側に設置しますので、部屋の内側からは古い外窓が見えなくなり、新品のような印象になります。

そして、内窓も様々なデザインが発売されていますので、お好みに合わせて「単色」や「木目柄の濃淡」などから選ぶことができます。


小洒落た木目柄も登場してきています。
内窓の工事について
内窓の工事は、壊す(解体)作業がほぼ必要ありません。
大きな問題がなければ、1窓当たり1時間で設置が可能です。

もちろん、どんな窓にでも設置できるという訳ではありません。
- 窓の内側の木の枠が、引き違い窓だと70mm以上の寸法が必要になる
- 枠が歪み過ぎていない
- 鍵の部分が当たってしまう
- 内側に開く窓
などなどです。
専用部材の「ふかし枠」などを設置して取り付けることも出来ますので、ほとんどの窓に設置は可能です。
工事費も1窓20,000円程度で設置できます(サイズや場所により増減します)
一度、概算見積もりを取ってみるのも良いと思います。
リフォーム店比較はこちらがオススメ!
内窓のデメリット
内窓は、メリットがいっぱいですが、一部デメリットもご紹介しておきます。
・窓を2回開けないといけない
窓が2個になるので、毎朝窓を開けるときは2回開けることになります(笑)
ただ、2重になることで防犯性は上がります!
・外観は変わらない
内側に窓を追加するだけなので、外見は全く変わりません。
知らない人がみると、リフォームしたのかどうか分かりません。
でも、そのくらいです!
内窓の種類
内窓は、各窓メーカーから発売されています。
YKKAP「プラマードU」

【品種設定】
- 引き違い(2枚建て)戸先錠仕様
- 引き違い(2枚建て、3枚建て、4枚建て)クレセント仕様
- FIX窓
- 内開き窓
- 開き窓テラスタイプ
一般的に多く採用される内窓「プラマードU」
上記の通り、品種設定が豊富で、ガラスの選択肢も多く設定されているため、要望に合わせてカスタマイズして設置出来ます。
【プラマードU特徴:戸先錠】
YKKAP社さんの製品で、新築・リフォーム問わず設定されているのが戸先錠。

引手と鍵が一体になっているので、クレセント錠を開けるひと動作がなくなります。
内窓は、窓を2回開けなければなりません。
戸先錠が、面倒な作業を軽減してくれます!
YKKAP「内窓LiteU」

【品種設定】
- 引き違い(1枚ガラス)のみ
対応品種は、引き違い窓の単板ガラスのみという設定になっています。
【内窓LiteU特徴】
なんと言っても、奥行き40mmで設置が可能という点です。

通常、引き違い窓では、設置には奥行き70mm程度が必要ですが、こちらの製品は、40mmで設置可能です。
※品種設定は引き違いのみ、単板ガラスのみ対応なので注意!
LIXIL「インプラス 」

こちらも、一番一般的に取り扱われている内窓です。
【品種設定】
- 引き違い(2枚建て、3枚建て、4枚建て)
- FIX窓
- テラスドア
- 開き窓
こちらも、品種設定が豊富で、ガラスも多く用意されています。
【インプラス特徴:ダストバリア】
樹脂製品はどうしても静電気が発生しやすいです。そのため、表面いホコリやちりを吸着してしまいます。

ダストバリアであれば、表面に帯電させないので、汚れを寄せ付けず綺麗に保てます。
LIXIL「インプラス Renovation」

こちらは、今年発売されたばかりの新製品。デザインに特化しています!
【品種設定】
- 引き違い窓(2枚建て、3枚建て、4枚建て)
品種の設定はまだ、少ない状況です。
【インプラスRenovation特徴:デザイン性】
こちらのインプラスRenovationの特徴はなんと言っても、デザインです。
内窓は、樹脂製の窓などで少しチープな印象になりがちですが、こちらは木目の際立つデザインシートをラップングしており、チープな感じが全くしないです。

そして、ガラスもデザイン性の高いガラスの設定があり、組み合わせ可能。
モールガラス アンティークガラス チェカーガラス
(施工イメージ)




LIXIL HPより引用
こんなお洒落な空間に出来ます!
ガラスの選択
内窓で重要なのは、ガラスの選択です。
これまでに紹介してきた効果の部分で、違いが出てきます。
【ポイント①】断熱性・遮熱性

一番は、断熱・遮熱の部分です。イコール結露にも関わります。
- 「1枚ガラス」か「2枚ガラス」かの選択
- 熱を入れたいか遮りたいかの選択(冬向か、夏向きかの違い)
もちろん、1枚ガラスより2枚ガラスの方が断熱性は高いです。
- 南面:カット率の低い物を使うのがオススメです(冬重視)
- 北面:直射日光は当たりませんので、グリーン高遮熱仕様
- 西面:夏場の西日が厳しいので、グリーン高遮熱仕様
- 東面:夏場の朝日が暑いので、グリーン高遮熱仕様
僕のオススメとしては、南面意外あはカット率の高いタイプです!
【ポイント②】目隠し
ガラスの目隠しタイプも沢山の種類があります。

目隠しタイプのガラス
- 見えにくさ
- 防犯性
- 見せる・見せないをコントロールしたい
- 和室用
など、シーンに合わせて使い分けることが出来ます。
【オススメ】
- フロストガラス:水回りや脱衣室(シルエットも見えづらい)
- 防犯重視:防犯乳白合わせガラス(見えにくさと防犯を両立)
ブラインドインガラスは、ガラスの中にブラインドが内蔵されていて、開け閉めが出来るタイプで面白いですが、価格が高く・壊れたら修理不可能です。
また、和紙調ガラスは和室にオススメです。質感はそこそこよくて、割れないです!

まとめ
内窓は、断熱・遮熱・防音・結露対策とはっきりと効果を実感できるリフォーム工事です。
内側の枠に設置するだけなので、手軽に出来て、見た目も良くなる。
家が、「暑い・寒い・結露が酷い・外の音がうるさい」などのお悩みをお持ちの方に最適です。
工事店に迷われる場合は下記記事を参考にして下さい!