家の防災について、考える!
家に関する災害だと、地震・浸水・台風などが考えられます。
地震は、耐震・制震・免震などを補強や装置を設置するとで対策が進んでいます。浸水被害は、川が氾濫してしまっては、家ではどうしようもありません。家を建てる時点で、場所を考えるしかありませんね・・・。
一方で、昨今増え続ける台風の上陸件数!
今後も台風の大型化、件数は増えていくと言う予測がされています。
これは、ある程度の対策を打つことが出来ます。新築時だけでなく、リフォームでも対応できることがたくさんありますので、ご紹介!
台風の防災は窓から
家の台風被害で考えらるものと言えば、
- 暴風による屋根やカーポートなどの破損
- 飛来物による、ガラスや壁などの破損
- 屋根からの雨漏り、窓からの浸水
などが、考えられますよね!
①について昨今、暴風対応の物が多く出ています。屋根も軽量で高耐久なものや、カーポートでも耐風圧の高い製品が多く発売されています。
③についても最近の屋根の構造がしっかりとした漏水対策が義務化されており、構造の基本性能については、10年保証がされています。また、窓についても耐風圧・耐水圧の性能が向上していますので、雨漏りや水がジャバジャバ入ってくるようなことは無くなっています。
今回の対策は、②の飛来物について考えたいと思います。
飛来物対策・・・窓ですね!物が飛んできて、ガラスが割れた・・・割れたガラスで怪我した・・・
ひどい例では、外から瓦などが飛んできて、窓ガラスを割って部屋内に侵入、瓦が当たって死亡したなんて例も有ります・・・
命を守ると言う観点からも対策が必要です!
窓からの台風被害
窓からの台風被害はどのような物があるか、
①ガラスの破損
文字通り、飛来物によりガラスが割れてしまい、雨が家の中に振り込んでくる被害です。
②ガラスや飛来物による怪我
割れたガラスや飛んできた物が当たって怪我をする被害。先ほども紹介しましたが、無くなった例もあるそうです。
③屋根が飛んでしまう
大袈裟に聞こえますが、2階の窓ガラスが割れて、強風が窓から侵入。逃げ場のない風が、屋根を吹き飛ばしてしまうと言う被害です。こちらも実際にあるお話です。
窓ガラスが割れるだけと考えている方も多いですが、大型化する台風により、想定外の被害が出ているのが実情のようです。
窓の対策
窓の対策といえば、ガラスに養生テープを貼り付ける、段ボールで補強すると言う物が真っ先に思いつくと思います。実際に、台風の予報が出ると至る所で見かける風景ですよね!?
ただ、養生テープや段ボールで十分な対策になるでしょうか?
ガラスの飛散やなどには一定の効果があるかも知れませんが、十分とは言えないと思います。
ではどのような対策が考えられるかを考えます。
シャッター・雨戸
物理的にガラスの前に、1枚防護柵を追加するイメージです。これは、当たり前ですが、高い効果が見込めます。
最近では耐風圧性能の高いタイプも発売されていますし、新築時だけでなく、後からも設置することが出来ます。窓の周りの壁にビスで取り付けます。
飛来物を止めることと、雨の侵入も軽減することが出来ます。
ただ、シャッターも薄い鉄板やアルミ板で出来ていますので、どんな物でも防げる訳では有りませんが、瓦くらいなら壊れながら止めてくれます。
ポイント
シャッターのポイントは、2階にも設置することです。
防犯だけを考えた場合に、1階だけにシャッターを設置すると言うお家が多い。ですが、防災の場合は、2階にも設置する必要が有ります。
立地条件にもよりますが、マンションの4階に飛来物が飛んで来た、と言う報告も有ります。また、先に紹介した屋根が飛ばされる事例は、2階の窓が原因です。
防犯ガラス
シャッターや雨戸を設置できる窓は、引き違いの窓だけです!
最近のお家だと、縦滑り出しや横滑りだし、FIX窓などの窓を多用することが増えています。特に吹き抜けや、階段部に大型のFIX窓を設置すると言う例が多い!
これは、1,5m×1,5mを超えています・・・
この窓は、放っておいていいのか・・・良い訳ありません・・・・ただ、シャッターは付けれませんので、どうするのか!?
防犯ガラスです!
防犯ガラスは、そもそも泥棒を防ぐためのものです。が、窓ガラスが破られにくい→防災にも効果的と言うことです!
防犯ガラスとは、ガラスとガラスの間に特殊フィルムを挟み込んだ、合わせガラスのことで、ガラスを割れにくく、飛散しにくくしたものです。
この防犯ガラスと一般ガラスを組み合わせた、防犯合わせ複層ガラスと言う物が、一般的に防犯ガラスとして出回っています。
ポイント
防犯ガラスにも、ランクがあります!
この特殊フィルム(中間膜)の厚みによって、防犯性能が変わってきます。
中空膜の厚みにより、30ミル、60ミル、90ミルとランク付けされており、数字が大きい程、割れや破損に強く、価格も高くなります!
防犯性能の違い
防犯ガラスの中間膜の厚みは、30ミルか60ミルが一般的です。
では、30ミルと60ミルで、どれ程の違いがあるのでしょうか??
板硝子協会という組織が、台風で飛来物が飛んできたことを想定した実験をしています。結果だけ、記載すると
・30ミルの防犯ガラス
小石(2g程度)・木片程度の物は、貫通・飛散なし。瓦は貫通。
・60ミルの防犯ガラス
小石・木片・瓦とも貫通・飛散なし。
と言うことで、違いは瓦が貫通するか・しないかです。
興味がある方は、板硝子協会のHPを確認してください。
台風が強力になっていく一方なので、瓦を防ぐ性能は大切です!!
そして、窓の溝の大きささえ合えば、ガラスだけ交換することも可能です。シングルガラスはシングルガラス、複層ガラスは複層ガラスへの交換となります。
内窓をつける
これは、窓枠の内側にもう一個窓を追加することです。
外側の窓が割れても。内側にもう一枚窓があるため、強度をあげることが出来ます。
こちらは、費用・施工時間共にかなり抑えることが出来、手軽に設置することが出来ます。また、防犯だけでなく、断熱・結露・騒音にも絶大な効果を発揮します。
音や結露には、本当に効果的です!!
ポイント
飛来物があった場合、外側の従来の窓ガラスは割れます。
窓の内側に、もう一枚窓を設置するお手軽工事ですので、外側のガラスが強くなる訳ではありません。部屋内まで物が飛んでこなくなりますが、外側のガラスは割れます。
また、2回窓を開けないといけなくなります・・・
まとめ
台風対策として、窓への対策をご案内しました。
一番効果的な方法は、引き違い窓にシャッター設置、その他の窓は防犯ガラスにすることが一番安全ではあります。
シャッターはその物の値段がそのまま追加になります。防犯ガラスは通常のガラスの倍くらいします。
費用と相談しながら、検討していただければと思います。