キッチンは毎日使う場所、水・油・火を使う場所ということで、家の中でも最も汚れやすい場所の一つかと思います。その大部分を占める、天板・シンクには色々な素材があります。その素材の選び方について、考察して行きたいと思います。
天板・シンクの素材
天板・シンクの素材には様々あります。一覧にするとこんな感じでしょうか!?
【天板】
- ステンレス
- 人造大理石(人工大理石)
- セラミック
【シンク】
- ステンレス
- 人造大理石
各素材には一長一短があります。それぞれ見ていきましょう!
ステンレス
クリナップ HPより引用
ステンレスのメリット
傷や熱、錆に強い
錆びない金属として有名なステンレスですので、基本的にステンレスの素材自体が錆びることはほとんどありません。
また、あくまで人造大理石に比べてですが、傷は付きにくい(目立ちにくい)です。そして、熱で割れたり、変色したりすることはありません。ただ、ステンレスだけで天板ができている訳ではありません、裏に木の補強が入っていますので、長時間熱を当て続けるのは良くはないそうです。
衛生的で、臭いもつかない
包丁や医療用のメスなどに使われる金属でもあるので、衛生的と言えると思います。また、鋼製の包丁などと比べてステンレスの包丁はほとんど臭いがしないと思いますし、魚などを調理しても臭いがつきません。そういった意味では調理するキッチンの天板には良い素材だと言えます。
長期使用による紫外線劣化が起こりにくい
みなさん、暗いキッチン生活をしたくないと思いますので、窓や勝手口のないキッチンはアパート以外にはないと思います。窓から太陽光が入ってきますので、日光の当たる場所は木製品や樹脂製品は長時間経過すると変色してきます(黄ばみ・・・)。その点、ステンレスは紫外線による劣化はほとんど起こりません。
シンクもステンレスにすれば一体成形が可能
シンクを同素材のステンレスにすれば、シンクと天板を継ぎ目のない一体成形に出来ます。
継ぎ目のお掃除はしなくて良くなります。
ステンレスのデメリット
見た目が地味
色はシルバー1色。インテリアに合わせて色を!とかデザインを!!なんてことは出来ません。表面の加工は、エンボスやヘアライン、バイブレーションなどが選択できます。
ただ、LDKでキッチンが家のど真ん中に来るケースが多いと思います。そうなると、もう少しインテリア映えさせたい!となりますよね。
長期使用すると光沢がなくなる
ステンレスは傷がつきにくい(目立ちにくい)と書きましたが、付かない訳ではありません。硬い金属ではありませんので、小さな傷はつきますし、土鍋の糸ジリで擦ると一発で傷がつきます。ただ、小傷がたくさんついて馴染んでいきます。ですので、傷が目立ちにくいと言うことです。
小傷が一杯つくと、段々表面の光沢がなくなっていきます。
ヘアラインやバイブレーションなどの表面処理を選ぶと、元から傷の様な仕上げですので、目立ちにくいと言えるかも知れません。元から光沢はありませんので。
特に、シンクはその様な加工がありませんので、光沢はなくなります。
ステンレス まとめ
上記の通り、デザイン面以外は、キッチンの天板としてかなり適した素材であると言えると思います。使用面・メンテナンス面・清掃面含めて、かなり高評価です。
ただ、LDK空間をお洒落に仕上げると言う、昨今のニーズにはひと工夫いる感じです。
人造大理石(人工大理石)
トクラス HPより引用
厳密には、人造大理石と人工大理石は別物です。
人工大理石:実際の天然石の粒を樹脂で固めたもの。実際の石が入っている為、加工がし辛いが、表面硬度が硬く、傷がついても研磨等の補修がし易い。
人造大理石:アクリルやポリエステル樹脂を固めたもの。大理石は全く入っていません。人工大理石に比べて表面硬度は柔らかく、加工性が良い為、様々な表情を出すことが出来る。
その他には、アイカ工業さんの「フィオレストーン」と言う天然水晶を主成分とした天板が存在します。これは人造大理石と呼んで良いかは知りませんが。。。石っぽいので。。。
アイカ工業 HP より引用(フィオレストーン)
簡単に書くとこんな感じでしょうか。まあ、細かいところは置いておいて、素材としての異素材と比較していきたいと思います。
人造大理石のメリット
カラー・デザインが豊富
石目の薄い・濃い・荒い・細かいやカラーがかなり豊富です。最近のLDK空間にマッチするデザインにコーディネートが出来ます。家具っぽい感じも出来ると思います。
錆びない
ステンレスと同じく、人造大理石は金属ではないので、素材自体が錆びることはありません。ただ、錆びた缶などを置いておくと、もらい錆などは起こします。
人造大理石シンクとの組み合わせ
人造大理石シンクと組み合わせて、コーディネート出来ます。その場合は、継ぎ目のない一体成形が出来ます。
人造大理石のデメリット
熱・傷・汚れに弱い
ステンレスと比べてですが。
- 熱により割れや変色を起こす:フライパンを置く場合は鍋敷きが必須です。
- 傷が付きやすい:表面硬度は柔らかい為、鍋底や土鍋、食器でも擦ると簡単に傷が付きます。そして、色が薄い物が多いので、汚れが入って目立ちます。
- 汚れに弱い:醤油やソースをこぼしたまま放置すると、浸透して落ちなくなります。
硬いものを落とすと割れる
先ほどの熱とは別で、缶詰などを落とすと、天板自体が割れたりします。特に、コンロの開口の周りやシンクの継ぎ目などの周辺は割れやすいです。
紫外線劣化による変色
ステンレスのメリットとは逆で、紫外線が当たり続けると劣化します。長期使用していると白い天板が黄ばんできたり、表面が荒れてきたりするそうです。
ステンレスシンクとの組み合わせで継ぎ目ができる
人造大理石のシンクとの組み合わせの場合は、一体成形ができますが、ステンレスと組み合わせると継ぎ目が出来てしまいます。
人造大理石 まとめ
人造大理石の良いところは、何と言っても見た目に尽きると思います。
清掃性や実用面では、決してキッチン向きの素材とは言えないです。
セラミック
LIXIL HPより引用
セラミックのメリット
熱・傷・錆・汚れに圧倒的に強い
ステンレスよりも圧倒的に強いです。
- 熱に強い:フライパンを置いておいても全く問題なし。熱も金属ほど通さない。
- 傷に強い:表面硬度が高く、まな板なしで包丁を使っても問題なし。
- 錆に強い:素材そのものが錆びることはない。もらい錆はします。
- 汚れは滲みない:タイルに汚れが滲みないのと同じです。
デザインも良い
これは、好みもあると思いますが、セラミックと言う位なので、タイルと同じ焼き物です。その為、高級感のある見た目が特徴です。人造ではない本物の質感です。ただ、ステンレスのような無機質な感じや、人造大理石のようなシンプル・スタイリッシュと言う感じはないです。
劣化しない
外壁に使うタイルと同じ素材ですので、紫外線による劣化は全くしないそうです。
セラミックのデメリット
価格が高い
なんと言ってもこれ!!お値段が高額です。ウン十万プラスで済むかな・・・
硬すぎる
傷も付きにくい、汚れもしないと言うことですが、硬すぎてぶつかった相手が割れます。コップや茶碗などを置くときに注意が必要です。また、硬すぎると言うことは、大きな衝撃を与えると凹んだりせずに、割れる可能性が強いと思います。
セラミック まとめ
セラミックはステンレスと人造大理石のいいところを纏めた素材と言えるかも知れません。ですが、1番のネックは値段が高いと言う点に尽きると思います。
あと、見た目は好き好きですね!!
我が家では、奮発してセラミックを入れました。そのレビューです
で、どれを使えばいい!?
以上の点を纏めるとこんな感じ。
素材 | メリット | デメリット |
ステンレス | ・傷・汚れ・錆に強い ・衛生的・臭いも付かない ・紫外線劣化しない ・ステンシンクと一体成形可能 | ・見た目が地味 ・長期使用で光沢がなくなる |
人造大理石 | ・カラー、デザインが豊富 ・錆びない ・人大シンクと一体成形可能 | ・傷・汚れ・錆に弱い ・硬いものを落とすと割れる ・紫外線劣化による変色 ・ステンシンクと組合せで継ぎ目 |
セラミック | ・熱・傷・錆に超強い ・デザインも良い(高級感) ・紫外線劣化しない | ・価格が高すぎる ・硬すぎて、相手が割れる |
実用性重視ならステンレス!!
見た目重視なら、人造大理石!
お金があったら、セラミック!!!
と言う結論でしょうか!?短絡的ですが、こればっかりは、記事を参考にご自身で判断してください。キッチン本体や手元を隠す工夫をすればステンレスでも問題ないと思います!!
キッチンに限らず、最近黒いパーツが流行っていると思います。キッチンのブラック天板についても今後記事にしたいと思います。